不動産売却を成功させるために

不動産売却は、売り主であるお客様ご自身の手によって行うものです。不動産会社ができるのは、あくまでもサポート。そのため、事前に不動産売却関連の知識を身につけておくことがおすすめです。以下からは、売却成功のポイントについてまとめました。

自分にあった売却方法がある

不動産売却を成功させるためには、ご自身の要望について明確にすることが大切です。それ次第で売却の方法は変わり、結果にも大きく影響が出ます。なお、ポイントになるのは「高く売りたい」のか、「早く売りたい」のかということ。以下では、不動産売却における2種類の手法の概要をご紹介します。

【高く売りたい】仲介売却

【高く売りたい】仲介売却

不動産をできるだけ高く売りたいとお考えの方には、仲介売却がおすすめです。不動産売却のなかではもっともポピュラーであり、多くの人が利用している手法です。

売り主ははじめに不動産会社へと仲介売却を依頼します。その後、査定などが行われた上で双方が納得すれば媒介契約を結びます。その後、不動産会社は物件の販売のために宣伝などを行います。

提示した価格で不動産を購入したいという人が現れれば、その後条件面の交渉がはじまります。ここでトラブルが発生しなければ、そのまま売り主と買い主との間で売買契約が結ばれます。なお、全般的に不動案会社のサポートが受けられますので、はじめての方でも安心です。

【早く売りたい】不動産買取

【早く売りたい】不動産買取

仲介売却は、買い主である個人との取引です。一方、不動産買取は売り主と不動産会社(買い手)との間で取り交わされる契約となります。

不動産買取のメリットはなんといってもそのスピードです。不動産会社次第ではあるものの、多くの場合は仲介売却よりも短期間のうちに不動産を現金化できます。引っ越しなどのスケジュールがすでに決まっていたり、すぐに現金が必要となっていたりする方には非常におすすめです。

なお、不動産を買い取った会社はその後、該当の物件を再販することになります。商品として販売するためにリフォームをしたり、販売活動を行ったりといった経費がかかるため、売却額は仲介売却よりも低くなる傾向にあります。

売却時にかかる主な費用

売却時にかかる主な費用

不動産の売却の際には、収入だけでなく支出も発生します。資金計画を立てる際には、この分も勘定に入れておかなくてはなりません。以下からは、代表的な諸経費などをご紹介します。

仲介手数料

不動産会社と媒介契約を結び仲介売却を行った場合には、その成功報酬として仲介手数料が必要です。金額については不動産会社ごとに異なりますが、法律で上限が決められています。たとえば400万円以上の売買契約が成立した場合には、売却価格の3%+6万円(税別)が仲介手数料の上限になります。

登記費用

多くの方は自宅を建築する際、住宅ローンを利用しています。そして、残債の有無にかかわらず、この住まいには金融機関による抵当権が設定されています。売却代金によって住宅ローンを完済する際には、この抵当権に関する抹消登記手続きが必要です。

なお、登録免許税は1,000円程度ですが、手続きは司法書士に依頼するのが一般的。そのため、司法書士への報酬として一般的に1万円程度がかかります。

繰り上げ返済手数料

不動産売却によって住宅ローンを完済した場合、金融機関によっては繰り上げ返済手数料がかかります。金額については金融機関ごとに異なるため、あらかじめ確認しておきましょう(無料の場合もあります)。

税金

不動産売却の際には、売買契約書を取り交わす必要があり、ここでは収入印紙税がかかります。そのほかにも、不動産売却によって利益が出た場合には、不動産譲渡所得税が課税されます。

そのほか

ここまででご紹介したもの意外にも、実際には引っ越し費用やリフォーム費用、ハウスクリーニング費用といった諸経費がケースに応じて必要になります。土地付き住宅の場合には、解体費用や測量費用、整地費用などが必要になることもあり、想定していないと大きな出費となるので注意しなくてはなりません。

不動産売却に適したタイミングとは

不動産売却には適したタイミングがあります。場合によっては、売却時期をずらすことがより良い結果に結びつくことも。最適なタイミングを見極めるためのポイントをご紹介します。

タイミングの計り方は、安く買って高く売るが基本

タイミングの計り方は、安く買って高く売るが基本

不動産物件はその時々で相場が変わります。たとえば2007年からの1年間は上昇傾向にあったものの、翌年のリーマンショックによって大幅な下落が起こりました。その後の東日本大震災の後押しもあり、下落傾向は継続していましたが、2013年にはじまったアベノミクスで回復に転じています。

こうした特性から考えると、不動産は安いときに買って高いときに売るのがもっともお得と言えるでしょう。しかし、市場相場の変化というのは不動産のプロであっても変わり目を見極められないと言います。多少の下落があったからといって売却を急ぐと、結果的に損をしてしまう可能性も十分にあり得るでしょう。

では、売り時を見極めるにはどうすればいいのでしょうか? もっとも確実なのは、購入時よりも相場が上がっているかどうかを確認することです。この時期に売却が成功すれば、ある程度満足のいく額だといえるでしょう。「売り時」には人それぞれ考え方がありますが、まずはこの考え方を基本にするのがおすすめです。

買い替えのタイミングに合わせる!

買い替えのタイミングに合わせる!

不動産売却において相場はもっとも重要な要素です。しかし、それに固執していると困った問題が起こる可能性もあります。

たとえば、住み替えのために別の場所で物件を購入したとしましょう。契約の関係上、入居までの日取りは決定しています。もしスケジュールがずれると、二重ローンが発生してしまったり、仮住まいの用意が必要になったりするかもしれません。こうした状況を回避するためには、事前に綿密なスケジュールを立て、かつ不動産売買なども視野に入れて検討するのがおすすめです。

なお、タイミングという意味では引っ越しシーズンをずらすことも大切です。たとえば、新築マンションの引き渡しとして多い3月末。もしも新築マンションに引っ越す人が大量にいたとすれば周辺で同じような条件の物件が売りに出されることとなります。供給が一気に増えるわけですから、周辺相場が一気に下がる可能性も十分にありえるでしょう。このように、売却額はさまざまな条件に影響を受けるということを覚えておいてください。

不動産会社選びのコツ

不動産売却において、不動産会社は頼れるパートナーです。しかし、それだけ重要なポジションにいるわけですから、依頼する会社についてはしっかりとチェックを行いましょう。以下から、そのポイントについてご紹介します。

大手 vs 地元密着 どっちがいい?

大手 vs 地元密着 どっちがいい?

売却する不動産の情報を幅広く届けるためには、できるだけ多くの人に情報を届けることが大切です。この場合、大手であればテレビや雑誌といったメディアを使うかもしれません。一方、地域密着の会社の場合は、それぞれのエリアの事情を知っており、かつ独自のネットワークも活用できるかもしれません。このように、不動産会社の良し悪しは規模の大きさに比例するわけではないことを覚えておきましょう。

実際の対応で分かる不動産会社の姿勢

実際の対応で分かる不動産会社の姿勢

誰にとっても、大切な不動産の売却には後ろ髪が引かれる思いのはずです。それにもかかわらず、売却の金額やスケジュールを決める段階、急に意見を押しつけてくるような不動産会社には注意が必要です。真意までは分かりませんが、顧客のことを真摯に考えていないことだけは確実と言えるでしょう。反対に、顧客の耳にじっくり耳を傾け、最終的な利益などを最優先にしてくれる会社であれば、安心して任せられます。